2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540421
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 太郎 Nagoya University, 地球水循環研究センター, 助教 (50335022)
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Keywords | 気象学 / 大気現象 / 水循環 / 大気境界層 / 浅い積雲 / Large Eddy Simulation (LES) |
Research Abstract |
本研究は対流圏下層の大気環境場と積雲の相互作用を明らかにすることを目的とする。具体的には、対流圏下層の大気環境場を規定した場合に、その場で発生・発達する積雲の特徴と発生した積雲の影響による大気環境場の変化を、観測結果と数値実験の結果から示すことで実現を目指す。昨年度は湿潤な陸域を対象として、Large Eddy Simulation (LES)を用いた数値実験を実施した。数値実験においては、初期条件において安定度(3ケース)、湿度(5ケース)、地表面からの顕熱と潜熱の放出の割合(3ケース)をそれぞれ組み合わせて45通りの実験を行い、領域内で積雲が発生したか否か、発生した積雲の種類、その発生時刻や遷移時刻、積雲の雲量や到達高度について整理し、大気環境場と発生した積雲の特徴をまとめた。さらに、積雲による水蒸気の鉛直分配についての考察も行った。この結果については現在、論文に取り纏めて投稿準備中である。 一方、熱帯(亜熱帯)海洋上を対象とした同種の実験も実施中である。こちらはシミュレーション実験を行い、その結果を整理している段階である。さらに、数値実験の結果と比較するための観測データの整理も進めている。観測船により取得された雲レーダー、ライダー、シーロメータ(雲底計)、ラジオゾンデなどの観測データを整理し、数値実験の結果との比較を行うための観測データの整理を行っている。 今年度はこれらの観測結果の整理を引き続き行い、数値実験の検証を行うためのデータベースの作成を行う。また、海洋上を対象とした数値実験(感度実験)を実施し、観測結果との比較を通じて検証を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)