2008 Fiscal Year Annual Research Report
データ融合シミュレーションによる熱圏・電離圏変動の研究
Project/Area Number |
20540435
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 均 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (50298741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (60212130)
前田 佐和子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (00199613)
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Keywords | 極域電離圏 / 熱圏 / EISCATレーダー / 大気大循環モデル / 数値シミュレーション / GCM |
Research Abstract |
大気大循環モデル(GCM)を用いた数値シミュレーションから、EISCATレーダー観測サイト近傍での熱圏大気温度、熱圏風の短時間変動、日変化、日々変動について調べた。極冠域での熱圏大気に2〜3時間程度の顕著な変動が見られ、夏季に振幅が大きく冬季に振幅が小さくなるという特徴が見出された。また、この変動は、極冠域で大きく、中低緯度では小振幅となる。ここでのシミュレーションは、EISCATサイト近傍での基本的な大気変動と、様々な地磁気擾乱によつて生じる変動要素とを分離する上で重要な結果を与えるものと考えられる。また、高分解能GCMによる数値シミュレーションをテスト的に行った。シミュレーション結果の今後の解析から、極冠域での局所的な熱圏大気変動の詳細について調べる予定である。 これまでのEISCATデータ解析から、EISCAT Svalbard Radar(ESR)による2007年の1年間連続観測データは、太陽活動静穏時の電離圏データとしてこれまでに例のないものであり極冠域の電離圏物理を理解する上で、また、上記GCMシミュレーションとの比較において最適のものであることがわかった。地磁気静穏時のESRデータでは、中性大気とのエネルギーのやりとりに起因すると思われる極冠域でのイオン温度の変動が見られるほか、地磁気擾乱にともなう急激なイオン温度上昇も確認されている。今後の詳細な解析によって、極冠域電離圏でのイオン温度の日々変化や季節変化をはじめて明確に示すことができるものと考えられ、これらの電離圏変動とGCMシミュレーションによる熱圏変動との関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(28 results)