2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540459
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
金沢 謙一 神奈川大学, 理学部, 准教授 (10386807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 康生 高知大学, 教育研究部, 教授 (90192583)
神谷 隆宏 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80194976)
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Keywords | 進化 / 古生態 / ウニ類 / 系統分類 / 機能形態 / ブンブク / 生態 / 適応 |
Research Abstract |
1.新生代日本産ウニ類の古生態学的変遷:(1)カシパン類;漸新世~中新世のサハリンから台湾に至る浅海砂底にはKewiaが生息した。鮮新世以降、同海域は亜寒帯域ではEchinarachniusに、温帯域ではScaphechinusに占められ、現在に至る。(2)ブンブク類;漸新世~中新世のサハリンから九州に至る浅海砂底にはLinthiaが排他的に生息した。中新世以降Linthiaの生息域は日本海に限られるようになり、前期更新世に絶滅した。中新世~現世の陸棚から漸深海泥底にはBrissopsisが生息しつづけている。以上から、日本周辺では中新世にウニ類にとっての大きな転機があり、属レベルで絶滅あるいは生息場所の変更が起きたことがわかった。 2.日本の白亜紀ウニ類フォーナの特徴:(1)前期白亜紀には陸棚泥底を示す群集が卓越し、属レベルでテーチス海ヨーロッパ地域との関連が強い。しかし、砂底群集にはヨーロッパでジュラ紀に繁栄したマンジュウウニ類を含む独特の群集が存在した。(2)後期白亜紀には陸棚外縁部泥底を示す群集が主体となり、亜属のレベルでインド、マダガスカル、北米との関連が強まる。砂底群集には日本固有属が出現し、他地域とは異なる群集が存在した。 3.浅海砂底に生息するウニ類の生態と機能形態:浅海砂底のウニ類を代表するブンブク類6種の個体群動態を調べた。結果;(1)風浪による撹乱を受ける水深の浅い所には堆積物中に深く潜ることができる形態をもつウニのみが生息できる.(2)堆積物中の深く安定な場所に棲むウニは成長と成熟が遅く、世代交代が遅い。一方、堆積物表層の不安定な場所に棲むウニは成長と成熟が早く、世代交代が早い。
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Research Products
(6 results)