2010 Fiscal Year Annual Research Report
中部・東北日本の第三紀島弧火山岩によるマントル・プローブ
Project/Area Number |
20540465
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石渡 明 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90184572)
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Keywords | 火山・火山岩 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 地質学 / 地球化学 / 地殻・マントル |
Research Abstract |
本年度も,宮城県登米市周辺(東北日本弧の前弧地域),山形県瀬見・最上地域,仙台西方の中新世火山岩の現地調査と岩石学的研究を,学生の協力を得て行い、日本地質学会と日本鉱物科学会において研究結果を発表することができた.それと同時に東北日本の第三紀火山岩に関する文献調査を更に系統的に進め,斑晶鉱物組合せ,主要・微量元素組成の広域的な変化を明らかにすると同時に,マントルの組成や溶融程度の変化に対応した特異な火山岩(ピクライト,低Ni玄武岩,アダカイト,高Mg安山岩など)の発見に努めた.その結果、仙台南方の岩沼市西方に分布する中新世の高館層の玄武岩に、ピクライトに近いものがあることがわかった。また、第三紀中新世における日本海の拡大に伴う,いわゆる二極的(バイモーダル)火山活動の実態と成因についても注目して研究を進めた.ある火山地域で、玄武岩と流紋岩が量的に見て二つの極をなし、それらの中間の化学組成をもつ安山岩が少ないことは,昔からディリーギャップと呼ばれてきた.このギャップはもともと大洋島の火山岩について言われたものであるが,このような二極的火山活動はリフト帯,海洋島,島弧など,様々なテクトニック場で発生している.今年度は、エチオピアの火山岩研究者と共著で、大陸リフト帯と日本の流紋岩の岩石学的・地球化学的共通点と相違点を比較しながら、中新世の日本海拡大に伴うリフト帯火山活動から現在の島弧火山活動までの流紋岩やデイサイトからみたマントル組成とマグマ生成プロセスの変化,および二極的火山活動の成因を論じた論文を、英文国際誌に出版することができた.
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Research Products
(9 results)