2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模マイクロ波ラインプラズマの生成技術に関する研究
Project/Area Number |
20540486
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
進藤 春雄 Tokai University, 情報理工学部, 教授 (20034407)
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Keywords | 大面積プラズマ / フラットパネルディスプレー / 太陽電池薄膜CVD / 大面積プラズマプロセス / フレキシブルエレクトロニクス / 大面積プラスティック表面処理 |
Research Abstract |
本研究課題では、次世代大型ディスプレイパネル対応の大面積プロセスや太陽電池薄膜CVD用の大面積プラズマ源を実現するめに大規模ラインプラズマ生成技術の開発を目的とし、平成21年度は長さ2メータのラインプラズマ生成装置におけるプラズマの均一性の向上ならびにECRラインプラズマの生成実験を中心に検討を行った。その成果とし、導波管幅61,5mmの条件で長さ2mの一様性の高いラインプラズマをチャンバー内に生成することに成功した。プラズマ電子密度の軸方向均一性は長さ2mにわたって3%以内であり、一様性の高いプラズマ生成が可能であることを証明した。また、電子密度の値は最大7×10^<11>cm^<-3>の高密度であり、マイクロ波のカットオフ密度を充分に超えていることが明らかとなった。電子密度の値がマイクロ波カットオフ密度より十分に高い密度となる条件が軸方向の均一性を決めていることも同時に明らかにした。一方、導波管端に取り付けたショートプランジャーは導波管内に定在波を作り、そのマイクロ波定在波の位相制御の機能を有していることも判明した。これらの事実はラインプラズマのさらなる大規模化に有用なスケーリグ則を与えるものであり、極めて重要な知見と考えられ、国内有数の英文論文誌であるApplied Physics Expressにその成果を公表した。一方、磁界を印加したECRラインプラズマの生成では、長さが40cmと未だ小規模なラインではあるが、プラズマ電子密度が2×10^<12>cm^<-3>を越える高密度プラズマが得られており、イオン注入装置やアニール装置への応用などが視野に入ってきた。ECRラインプラズマでは長さ方向のプラズマの均一性が未だ充分でなく、プラズマの生成機構の解明を含めて次年度への研究課題として残った。本研究課題の継続的遂行により、次世代フラットパネルプロセスや太陽電池薄膜CVD等の要素技術の提供が可能であり、さらに各種フィルムの大面積処理装置などの開発にもつながることから、各種産業分野ヘインパクトの大きい技術の提供が出来るものと考える。
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Research Products
(7 results)