2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 啓文 Kyoto University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70290905)
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Keywords | 共鳴構造 / 電子状態 / ab initio / 分子軌道法 / 原子価結合法 |
Research Abstract |
本課題では、これまで我々が開発して来た双直交な第二量子化演算子表現に基づく共鳴構造理論に基に、その直接的な発展・一般化を図っている。今年度の成果は以下の通りである。 (1) この解析法は、基底関数や波動関数の局在化法、演算子などの選択を必要とし、それらの組み合わせに計算結果が依存する可能性がある。しかしながら実際の系に適用定され、定義の選択に事実上依存しないことが明らかになった。 (2) 従来の方法は二電子間の関係を扱う方法であることから、非局在化した共役系電子などを扱うことが出来なかった。そこで四電子系へ拡張した演算子を新たに導出した。この方法はMulliken電荷と無矛盾になるように定義されており、従来法とも定量的にほぼ一致する結果が得られた。一方で、より多電子系への一般化とスピン固有状態であるか否かについては更なる考察が必要であることが分った。 (3) アミンによる二酸化炭素の吸収過程は、二酸化炭素上に共役して電子が広がり、炭素-窒素結合形成時に大きな電子状態変化がある。このために従来を用いることができない。そこで矛め判る形式的な電荷を用いて、重みの計算を行う簡便法を開発した。
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