2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550111
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 直毅 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (60243127)
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Keywords | 環境分析 / 自己組織化 / 生体材料 / 脳・神経 / ナノ毒性 |
Research Abstract |
アルツハイマー病、プリオン病などの神経変性疾患および排気ガス、アスベストなどの大気汚染による健康被害は、共通してナノサイズの微粒子を原因としていることが近年明らかにされている。これらの微粒子が引き起こすナノ毒性は、生体内でストレス防御を担う蛋白質である分子シャペロンによって抑制されている。しかし、分子シャペロンは不安定な巨大蛋白質分子であり、疾患の治療・診断に直接用いるのは困難である。一方、申請者は近年分子シャペロンの基質認識部位に相当するペプチド(シャペロンペプチド)がナノ毒性を抑制することを明らかにした。そこで本研究では自己組織化能を付与したシャペロンペプチドにより、毒性ナノ粒子を検知する「シャペロンペプチドビーズ」を合成し、毒性ナノ粒子の微量計測や神経変性疾患の治療薬として利用する研究を行う。 前年度までに見出してきた小型熱ショック蛋白質αAクリスタリンの基質結合部位FVIFLDVKHFSPEDLTVK自体がアミロイド線維形成能が高いことが判り、その会合性と凝集抑制機能の相関を調査した。このペプチドは繊維形成にともない蛋白質熱凝集体の大きさを縮小することが判った。今後はαBクリスタリンのペプチドDRFSVNLDVKHFSに関して検討するとともに両ペプチドをコロイド粒子に固定化してその凝集抑制機能に対する効果を明らかにする。
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