2009 Fiscal Year Annual Research Report
交互ヘテロ環状ホスト高分子を基とした特異的反応場の創成
Project/Area Number |
20550120
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中本 義章 Kanazawa University, 物質化学系, 教授 (20019772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 忠明 金沢大学, 物質化学系, 教授 (90220251)
生越 友樹 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (00447682)
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Keywords | カリックスアレーン / フルオランテン / 超分子 / ホストーゲスト包接錯体 / 環状ホスト分子 / 電子移動 / 蛍光 / 特殊構造高分子 |
Research Abstract |
生体は、自己組織的にミセルやチューブ状などの、精微でソフトな分子・ナノレベルの超分子構造を形成し、それにより、生命活動に不可欠なエネルギーや情報の保存・伝播等、極めて高度な機能を発現している。このような機能を示す超分子は、分子間相互作用により多数の分子から構成されている。さらに、より高機能で精巧な超分子の形成には、"鍵と鍵穴"の関係にある特異的な水素結合や、1種ではなく多種の分子開相互作用が多点的に働く必要がある。本研究では、このように生体内で見られる「"鍵と鍵穴"の関係にある特異的な水素結合」と似通った、「環状ホスト分子の空洞の大きさに応じた選択的なゲスト分子認識」に注目し、環サイズの異なるカリックス[4]アレーンとカリックス[6]アレーンが交互に配列した特殊構造高分子の合成を行った。ゲスト分子としてフルオランテンを用いて合成した高分子の分子認識機能を調査した。その結果、フルオランテンが一定濃度の溶液中に、合成した高分子を添加していくと、フルオランテンの蛍光が大きく減少した。これより、高分子とフルオランテン間でホストーゲスト相互作用を形成していることが分かった。一方、それぞれのモデル分子であるカリックス[4]アレーンとカリックス[6]アレーンを用いた場合では、このような蛍光の減少は見られなかった。これは、カリックス[4]アレーンとカリックス[6]アレーンともに環サイズがフルオランテンと適合しないためであると考えられる。これより得られた高分子は、構成成分であるカリックス[4]アレーンとカリックス[6]アレーンにはない新たな分子認識機能を有していると考えられる。
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Research Products
(3 results)