2009 Fiscal Year Annual Research Report
硫酸含有酸化チタンを用いた塩素化エタンの分解とエチレン、塩化ビニルへの物質変換
Project/Area Number |
20550179
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山崎 鈴子 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (80202240)
|
Keywords | 環境材料 / 触媒・化学プロセス / 表面・界面物性 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
昨年度の実験により、クロロエタンの光触媒分解における光触媒活性の低下は、触媒表面上のブレンステッド酸点の生成が原因であることがわかった。そこで、 [1] 反応ガス中の水蒸気分圧を変えて、触媒表面上のブレンステッド酸点の生成や光触媒活性に対する影響について調べた。その結果、水蒸気分圧が低いほど分解効率が高くなったが、反応ガス中に水蒸気が含まれていない場合にも、反応後の触媒表面上にブレンステッド酸点の生成が認められた。したがって、ブレンステッド酸点の定量法を確立する必要があることがわかった。 [2] ブレンステッド酸点を有する硫酸含有酸化チタンの合成は10日間かかるが、通常の酸化チタン表面を硫酸処理したものでも、同様なブレンステッド酸点を有し、クロロエタンの分解活性もほぼ同じであることがわかった。ブレンステッド酸点の形成には、触媒表面上の硫酸イオンが関与していることが分かった。 [3] 通常のゾルーゲル法で作成した酸化チタンを用いて、反応ガス中の酸素分圧をゼロにすると、1,2-ジクロロエタンが塩化ビニルへ、クロロエタンがエチレンと塩化ビニルへ変換できたので、まず、その反応機構に、ついて明らかにした。ここでの問題は、触媒活性が光照射時間とともに著しく低下することである。硫酸含有酸化チタンを用いると触媒活性の低下が防げると期待されたので、エチレン誘導体への変換も促進できると期待したが、変換効率を持続させることはできなかった。そこで、反応ガス中の水蒸気分圧や反応温度を変化させて変換効率への影響を調べ、反応温度が高いほどエチレン誘導体への変換効率が高くなることが分かった。
|