2008 Fiscal Year Annual Research Report
相転移酸化物結晶成長と電界誘起スイッチングに関する研究
Project/Area Number |
20560016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
沖村 邦雄 Tokai University, 情報理工学部, 教授 (00194473)
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Keywords | 機能性酸化物 / バナジウム酸化膜 / ICP支援スパッタ成膜法 / スイッチングデバイス / 相転移 / プラズマプロセス / メモリーデバイス / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究計画の初年度である平成20年度は、相転移二酸化バナジウム(VO_2)薄膜の結晶成長と転移特性の関係について考察し転移特性制御への指針を得るために、ICP支援型スパッタ成膜法によってサファイア基板上に堆積したVO_2薄膜の結晶格子定数測定を行った。XRD測定において、VO_2の温度を室温から相転移が生じる温度である68℃を上回る100℃程度まで変化させて、低温における単斜晶及び高温における正方晶における格子定数を求めた。この際、エピタキシャル成長しているVO_2膜の基板面に平行な格子の長さを測定するために、試料にあおりを与えて測定する方法を導入した。その結果、低温相から高温相にかけての格子定数変化の温度依存性を示すことができた。高温の正方晶において、基板面に垂直方向と平行方向のa軸長に差が生じること及びc軸長と転移温度の間に相関があることがわかった。 格子定数測定と平行して、VO_2薄膜に5μmの狭いギャップ長を有する一対のTi/Au金属電極を配置し、電極間に電圧を印加することで生じる電界誘起抵抗スイッチング現象について、高速パルスに対する応答を調べた。その結果、100ns程度の時間でスイッチングが生じること、電圧-電流値から求めた抵抗値が多段階の変化を生じることを見出した。この多段階の抵抗スイッチングについて、ギャップ間の光学顕微鏡観察やVO_2の温度に対する結晶性の変化を測定し検討を行った。ギャップ間にフィラメント状パスが生じ、その伸長に起因して多段階の抵抗変化が発現すると考察された。
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Research Products
(4 results)