2009 Fiscal Year Annual Research Report
触媒用希少元素の節約・再利用のための半導体表面担持型触媒の設計と開発
Project/Area Number |
20560021
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
石井 晃 Tottori University, 工学研究科, 教授 (70183001)
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Keywords | 触媒 / パラジウム / 第一原理計算 |
Research Abstract |
実験では硫化したGaAs基板やGaN基板、金基板にパラジウム原子を載せた系で周東・有澤(北大薬学)、塚本(阿南高専)らによってヘック触媒反応・鈴木触媒反応が報告されているので、まずその系に絞って第一原理計算を行った。前年度から引き続いてGaN基板と金基板について2×2のスーパーセルでの第一原理計算により、それぞれの基板で硫黄原子とパラジウム原子のそれぞれの安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。さらに、硫黄原子とパラジウム原子がそれぞれ1個ずつ共吸着した場合での両原子の安定吸着位置と吸着エネルギーを計算した。また、それぞれの場合の電子状態の違いを調べた。 計算の結果判明したことは、GaN基板でも金基板でもパラジウム原子と硫黄原子が共吸着した場合はパラジウム原子の原子価がほぼゼロになり、ゼロ価で触媒反応を起こしやすくなるという経験則と一致する結果を得た。また、硫黄の吸着によってGaAs基板ではパラジウムの結合エネルギーが強くなったが、GaN基板や金基板ではそのような硫黄の存在によるパラジウム原子の結合エネルギーの増加は見られなかった。しかし、実際の実験では周囲に水酸基が存在したり、パラジウム原子が単体で吸着するとは限らないなどがあるので、より実験に近い条件での計算の必要性も出てきた。
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