2008 Fiscal Year Annual Research Report
線量絶対測定による医療用密封小線源からの放射線量の方向依存性の研究
Project/Area Number |
20560051
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
柚木 彰 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 計測標準研究部門, 室長 (10415763)
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Keywords | 放射線 / 線量角度分布 / 線量絶対測定 / 放射線治療 / 医療用密封小線源 / 線源支持構造物 / 軟エックス線 / 線源回転装置 |
Research Abstract |
本課題においては、前立腺がんの治療に用いられるI-125密封小線源について、線量測定の精度向上を目指して、線量の方向特性の精密測定を実現するための研究を進めている。対象とする小線源は長さ5mm×直径0.8mmのチタン製の容器に収められているが、I-125から放出されるX線やγ線のエネルギーが比較的小さく、線源容器で大きく吸収される。実際、放射線の入射方向に対してコリメートしか、軟X線検出器を用いて放射線放出の角度分布を測定したところ、線源中央と検出器中心を結んだ線と線源長軸がなす角が90°の場合に対して、0°では放射線の計数が約1/4まで減少することを確認した。線量の方向特性の測定においては、線源の角度設定の再現性、および線源から検出器までの距離の再現性が重要なので、小線源専用の線源回転装置を製作した。この線源回転装置は線源を長軸周りに回転させ、任意の回転角度で固定でき、同時に線源中央と検出器中心を結んだ線と線源長軸がなす角が自由に設定出来る。線源を金属等の構造物を用いて固定しようとすると放射線が遮蔽されてしまうので、直径74マイクロメートルと極めて細い糸を4本用いて線源を挟み、線源からの放射線をほとんど遮蔽することなく線源を固定できるよう工夫した。この線源回転装置に線源を固定し、軟X線検出器を使用して放射線のスペクトル測定を行い、不要な散乱成分が生じていないことを調査し、線量の方向特性測定に影響がないことを確認した。
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Research Products
(1 results)