2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560085
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 武史 青山学院大学, 理工学部, 教授 (50167318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 賢一 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (40383509)
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Keywords | 構造・機能材料 / 材料強度 / 信頼性評価 / 接合技術 |
Research Abstract |
本年度の研究では,インデンテーション法による局所力学特性評価に基づくマクロスケールの力学特性評価を溶射材および繊維強化複合材料に対して行った. 溶射材料に対しては,はじめにWC-Co溶射膜に対し溶射膜の膜厚方向と断面方向へのインデンテーション試験を行い,力学特性を評価した.その結果,膜厚方向と断面方向でヤング率の異方性が確認された.溶射膜の微視的観察からヤング率の異方性は,溶射膜内部に気孔の形状に起因するものと推察された.次に,溶射膜の局所疲労試験を行った結果,断面部の疲労強度は表面の疲労強度よりもわずかに高い値を示した.また局所疲労試験の疲労強度は回転曲げ疲労試験による疲労強度よりもかなり高い値を示した.この結果は寸法効果によるものと考えられる. 一方,繊維強化複合材料については,前年度までの研究で開発したインデンテーション法による粘弾性特性の評価法を適用して,繊維強化複合材料の力学特性評価を試みた.その結果,繊維部と樹脂部でどちらも粘弾性に起因するクリープ変形を示すものの,評価された粘弾性特性は繊維部と樹脂部で明らかに異なっていた.この試験結果を検証するため,有限要素解析によって繊維強化複合材料の力学特性を推定した.その結果,樹脂部から評価された粘弾性特性は,異方性がない短繊維強化複合材料の力学特性と見なせることが示された.また繊維部から評価された粘弾性特性は,強い異方性を持つ短繊維強化複合材料の繊維方向の粘弾性特性と見なせることが示された.これらの結果をもとに,短繊維強化複合材料に対する局所力学特性評価法の試験方法を提案することができた.
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