2009 Fiscal Year Annual Research Report
火炎プラズマを用いたカーボンナノチューブ生成促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
20560176
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊東 弘行 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (30372270)
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Keywords | 燃焼合成 / カーボンナノチューブ / 電場 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)の燃焼合成法は装置が簡便でスケールアップが容易などの特長を有し、CNTを安価に大量に合成する手法として期待されている。しかし燃焼法では火炎周りの急な温度勾配やガス濃度勾配のためCNT生成に適した領域が狭く、CNT生成場および性状をコントロールするのが困難という課題を有する。 火炎は一種のプラズマであり電場を与えることにより陽イオンや中性分子が負電極方向へ移動するイオン風が生じることが知られている。CNT生成への電場の影響については、成長促進効果や結晶度改善効果が示唆されているものの詳細なメカニズムは明らかになっていない。本研究では昨年度、噴流拡散火炎に電場を印加することで従来の燃焼法では見られないほど大量の単層CNT(SWNT)合成を得たが、火炎構造が複雑であることから電場印加効果メカニズムの解明にはより単純な火炎を用いた調査を必要とする。また火炎に生じるイオンの影響が小さいと考えられるCVD法に電場を印加した結果との比較により、CNT生成に関与する金属触媒微粒子への化学種供給および電圧印加の作用メカニズムを解明することを目的とする。 平成21年度は、対向流平面拡散火炎に直流電場を印加してCNT生成場の温度や化学種、生成するCNTへの効果を調べた。その結果、電場印加による温度場、水素濃度やOHラジカル分布に大きな変化は見られないが、CO濃度の増加およびCHラジカル分布位置の変化が見られ、生成されたSWNT結晶度向上と直径分布変化が確認された。また電気炉を用いた定置触媒CVD法における多層CNT(MWNT)生成への印加電圧および供給燃料濃度の影響を調べた。供給炭素源が多い条件では電圧印加によりMWNT成長が促進される一方、供給炭素源が少ない条件では電圧印加による明らかな成長促進は見られなかったことから、燃焼法への電場印加がイオン風による炭素源の移動のみならず、触媒活性(炭素源の触媒における分解、溶解、移動)向上に寄与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)