2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560228
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡辺 亨 Nihon University, 理工学部, 准教授 (80265933)
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Keywords | 振動制御 / 超音波 / プロペラ / アクティブ制御 / 空気 / アクチュエータ / 非接触制御 / 可変ピッチ |
Research Abstract |
超音波を用いた音圧制振システムの研究においては,昨年開発に成功した,対抗する超音波振動子の差動圧力を制御力とする非接触制振システムを用いて実際に非接触アクティブ振動制御を行うべく新たな実験装置の製作に着手した.ここでは半導体ウェハーを想定したプラスチック円盤を対象とし,空気圧によりこれを浮上させた状態で上下方向から差圧超音波を印加し,音圧をフィードバック制御することでウェハーの振動を制御する実験を行うべく装置の開発を行った.空気浮上部の設計・製作に経験が浅かったため装置の製作に手間取り,本年度はかろうじて円盤を浮上させるに留まったが,装置自体はほぼ完成したので,来る年度においては制御実験にとりかかる予定である.一方,プロペラ制振システムの研究においては,昨年までの成果を踏まえ,可変ピッチプロペラ実験装置を製作し,このプロペラピッチの正負を切り替えることで推力の切り替え応答速度が改善されるかを測定した.その結果,定回転している可変ピッチプロペラのピッチを0から最大とした場合の推力の立ち上がり時定数は,固定ピッチプロペラを速度0から最大トルクで回転させて得られる推力の立ち上がり時定数の半分程度で済むことが確認され,提案する可変ピッチプロペラ制振システムの原理的有効性を確認することができた.これを踏まえ,昨年度も用いたクレーン型吊り荷実験装置で実験を行った結果,固定ピッチプロペラと同様に良好な制振効果が得られることを確認した.さらにシミュレーションにより制御則の検討も行い,相対的に長い時定数の下では,最適フィードバック制御と単純切り替え制御で性能に差が無いことも確認できた.これらの成果は特許出願に付された.
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Research Products
(3 results)