2010 Fiscal Year Annual Research Report
無線ネットワークを通信経路とする触覚フィードバック型ロボットの遠隔制御
Project/Area Number |
20560241
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
内村 裕 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00416710)
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Keywords | ネットワークベース制御 / 遠隔操作 / 無線通信 / 通信遅延 / Lyapnov-Krasovskii / 移動ロボット / 自律移動 / Voronoi分割 |
Research Abstract |
無線ネットワークを介して自律移動ロボットを遠隔操作し、離れた場所からの救急医療や災害時のレスキュー活動などに適用可能なシステムの実現を目指した研究を行い、次のような成果を創出した。 1. 通信遅延の変動を含む制御系に対応した制御手法の構築: フィードバック系内に遅延を含むシステムに対して,従来の周波数領域における解析では,変動する時間遅れに対応することが理論的に困難であるため,Lyapunov-Krasovskii汎関数による安定条件から安定化制御器を線形行列不等式(LMI)の形で導出する制御手法を開発した。同手法では,通信の変動遅延,モデルの不確かさを考慮すると同時に,外乱抑制性能を陽に反映することが可能となった。この結果,ネットワークを通信路に含むシステムに対して,所望の性能設計を行うことできるため,安定かつ高性能な制御系を実現することが可能となった 2. 無線通信を中継する移動ロボット群の制御: 建物内のような閉空間における無線通信距離の拡大のため,複数の移動ロボットによって自律的に通信の中継を行うための配置問題について研究を行った。移動中継ロボットの配置問題は,対象となるロボットの台数が増えると多体問題になるため,解析的な最適解を求めることは極めて難しい。そこで本研究では,中継器の最適配置を領域被覆問題としてとらえ,Voronoi分割手法に基づく被覆問題の最適化手法によって,中継ロボットの配置を動的に行う手法を開発した。同手法について,数値シミュレーションによって事前検証を行ったのち,開発した全方向移動型ロボットの制御アルゴリズムに実装して,実証実験を行い提案手法の有効性を確認した。
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Research Products
(22 results)