2010 Fiscal Year Annual Research Report
工場内三次元姿勢の経時的計測による協調型重労働作業のバイオメカニクス解析
Project/Area Number |
20560247
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
村瀬 晃平 近畿大学, 工学部, 准教授 (80298934)
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Keywords | バイオメカニクス / モーションキャプチャ / 重労働作業 / 下肢関節 |
Research Abstract |
平成22年度は,工場内の動作姿勢を捕捉するモーションキャプチャシステムの改良,および実際の作業環境に配置し実作業の計測をおこなった.2台の高密度ハイビジョンカメラを設置した光学式で,カメラ画角,位置をコンピュータ制御するよう改良した 昨年度までの成果を踏まえ,今年度は着衣の違いによる動作計測とX線透過装置による計測結果と比較し,システムの有効性を検証した.屈曲動作を計測したときのX線透過映像と,同時刻のモーションキャプチャ計測結果を矢状断面へ投影したものを比較した結果,それぞれの復元結果から屈曲角は24°と推定され,X線投影結果とほぼ一致したこと本システムの有効性が証明された.これにより重量物挙上の初動時や蹲屈位での溶接等の作業などの重労働作業において,着衣の影響を受けることなく挙動を再構築できることがわかった. 続いて,錘を入れた運搬箱を胸の高さまで持ち上げて地面に降ろす,一般的な挙上動作を計測した.動きの変化を計測するため.運搬箱の中が空の状態から20kgWまで増やし,重量変化による挙上動作の影響を調べた.得られた膝関節のトルクと腰椎椎間板の圧縮力を比較したところ,膝関節にかかるトルク腰椎椎間板圧縮力ともによく一致しており,どちらのシミュレーションも実際の負荷をよく模擬していると予想された.静的解析では運搬箱の積載量に応じて増加する腰椎圧縮力が持ち上げ,持ち下ろしの違いで変化すること,動的解析では作業動作速度の違いにより筋肉負荷,膝トルクが増大することが示された これらの結果を有限要素解析へ転用することにより,より関節のバイオメカニクスをより詳細にシミュレーションすることが可能になると考えられる
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Research Products
(2 results)