2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波帯を用いた10Gbit/s次世代無線PAN伝送技術の研究
Project/Area Number |
20560346
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
梅比良 正弘 Ibaraki University, 工学部, 教授 (00436239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 浩和 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10360067)
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Keywords | ミリ波 / MIMO / 無線PAN / チャネルモデル |
Research Abstract |
ミリ波MIMO(Multi Input Multi Output)チャネルモデルに関しては、3つの環境(リビングルーム、会議室、オフィス)での60GHz帯伝搬実験を行い、統計的SISO(Single Input Single Output)チャネルモデルを開発した。水平・垂直の直交偏波を用いた実験結果より、伝搬路における交差偏波成分の発生は十分に小さく、直交偏波を用いるミリ波MIMO通信の交差偏波干渉は十分に小さいことを明らかにした。開発したチャネルモデルは国際会議等で発表を行い、ミリ波WLANの国際標準規格であるIEEE802.11.adにも提案を行った。 MIMO伝送技術に関しては、レイトレーシングを用いたミリ波MIMOチャネルモデルのシミュレーションプログラムを開発し、デスクトップ環境での伝搬特性ならびに伝送特性の解析、評価を行った。その結果、デスクトップ環境では、半値幅が60度以下の指向性アンテナを正対させて利用すれば、周波数選択性は小さいことを明らかにした。また、このミリ波MIMOチャネルモデルを用いて、直線偏波の場合のSISO、2×2MIMOの伝送特性評価シミュレーションプログラムを開発し、誤り率特性の評価を行った。その結果、水平・垂直の直交偏波を用いると、QPSKでは受信側は最も信号処理の簡易なZFアルゴリズムで、十分良外な誤り率特性が達成できること、受信側で信号分離できるため偏波軸合わせが不要になることを明らかにした。さらに、AD変換器のビット数を削減するため、コンプリメンタリ符号化によるAD変換法を提案し、所要ビット数を1bit低減できることを示した。得られた成果は一部、学会で発表した。 以上のように、ミリ波帯MIMOチャネルモデルとミリ波MIMO伝送技術の2研究テーマを分担して研究を進め、概ね計画通りに研究が進捗している。
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Research Products
(12 results)