2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波帯を用いた10Gbit/s次世代無線PAN伝送技術の研究
Project/Area Number |
20560346
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
梅比良 正弘 茨城大学, 工学部, 教授 (00436239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 浩和 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10360067)
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Keywords | ミリ波 / MIMO / 無線PAN / チャネルモデル |
Research Abstract |
ミリ波チャネルモデルに関する成果として、ミリ波WLANの国際標準規格であるIEEE802.11adへ提案していた3つの環境(リビングルーム、カンファレンスルーム、キュービクルオフィス)で開発した統計的チャネルモデルが標準評価モデルとして採択された。また人体による遮蔽により直接波が受信できない場合が発生することを考慮し、ビームフォーミング技術を用いることで、反射波を利用して通信を継続する場合のアンテナビーム幅について検討し、送受信アンテナの半値角を30度程度とすることで、リビングルーム環境で通信継続確率が20%程度改善されることを明らかにした。 MIMO伝送技術に関しては、指向性アンテナを正対させる場合、上記の統計的チャネルモデルはレイトレーシングを用いたチャネルモデルとよく一致することから、レイトレーシングを用いたMIMOチャネルモデルを用いて、カンファレンスルーム環境における直線偏波を用いた2X2 MIMO伝送の誤り率特性を、種々のアンテナ半値角、アンテナ高、アンテナ設置場所において計算機シミュレーションにより評価した。その結果、送受信アンテナの高低差が大きく、アンテナ半値角が30度より小さくなると、安定したMIMO伝送が可能であることを明らかにした。また、アンテナ半値角が大きくなると発生する伝送特性の劣化は、机からの一回反射波によることに着目し、円偏波を用いた2X2 MIMO伝送を提案し、直線偏波に比べて受信レベル変動が小さくなり、MIMO伝送での2系列の伝送特性の差が小さくなることを明らかにした。 以上の得られた成果は一部、すでに学会で発表しており、本研究によりミリ波帯を用いて安定した2X2 MIMO伝送が実現可能であり、16QAM程度の多値変調を用いることで、10Gbit/s次世代無線PANの実現性を示すことができた。
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Research Products
(5 results)