2008 Fiscal Year Annual Research Report
振動子ネットワークによるSCNニューロンのモデル化とその概日リズムへの応用
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20560352
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
徳田 功 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 准教授 (00261389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 徹 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30222863)
郡 宏 お茶の水女子大学, 人間創成科学研究科, 助教 (80435974)
福田 弘和 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (90405358)
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Keywords | SCNニューロン / サーカディアンリズム / 位相方程式 / 位相応答曲線 / 時計遺伝子 / 集団フィードバック制御 / 複雑ネットワーク / 同期 |
Research Abstract |
Suprachiasmatic Nucleus (SCN)ニューロンのネットワークモデルを生理実験に基づいて忠実に構築し,理論解析を行うことにより,哺乳類のサーカディアンリズムを解明することを目指し,20年度は以下の成果を得た. 1) 振動子ネットワークからの位相方程式抽出法の開発(徳田) 多数のSCNニューロンが空間的に非一様に結合したネットワークに対して,システムを記述する位相方程式を時系列データから逆推定する手法を開発した.特に,摂動を導入して同期を破壊することにより,同期領域のデータにも適用可能となるように拡張を行った.手法の有効性はシミュレーションデータおよび電気回路,電気化学の実験データへ適用することにより確認した. 2) SCNネットワークの制御理論の構築(郡) SCNをターゲットにした振動子集団のフィードバック制御の理論的枠組みを包括的にまとめ,実験検証した.さらに,大域結合振動子の集団全体の位相応答曲線と,個々の振動子の位相応答曲線をつなぐ理論研究を行い,SCNの計測実験との対応を議論した. 3) SCNニューロンの結合ネットワークの計測実験(福田) 時計遺伝子per2のプロモータにルシフェラーゼ遺伝子を導入した遺伝子組換えラットのSCNスライスにおける位相ダイナミクスを詳細に解析した。その結果、背内側部から腹外側部へ伝播する位相波を高解像度で観察することに成功した。また、使用したSCNスライスは細胞10個程度の厚みをもっているが、位相波の伝播様式を議論する場合、その厚みを考慮する必要があることが分かった。 4)SCNネットワークの時空間構造解析(池口) 複雑ネットワーク理論を用いることで,STDP学習により形成されるSCNネットワークの構造解析をおこなった.特に,無向グラフ化するだけでなく,有向グラフとしても捉えることで,様々な構造が出現することを明らかにした.
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Research Products
(12 results)