2010 Fiscal Year Annual Research Report
振動子ネットワークによるSCNニューロンのモデル化とその概日リズムへの応用
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20560352
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
徳田 功 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (00261389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 弘和 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (90405358)
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Keywords | SCNニューロン / サーカディアンリズム / 位相方程式 / 位相応答曲線 / 時計遺伝子 / 集団フィードバック制御 / 複雑ネットワーク / 同期 |
Research Abstract |
視交叉上核(SCN)におけるニューロン郡のネットワークモデルを生理実験に基づいて忠実に構築し,理論解析を行うことにより,哺乳類のサーカディアンリズムを解明することを目指し,22年度は以下の成果を得た. 1.ラットSCNスライス計測データで観測される位相波のモデル化(徳田,福田) 時計遺伝子per2のプロモータにルシフェラーゼ遺伝子を導入した遺伝子組み換えラットのSCNスライス計測データに対して、偏相関解析を適用することにより、SCN細胞間の直接および間接結合の判定を行い、これによってネットワークのトポロジーを記述する結合行列の推定を行った。推定結果に基づいて、Goodwin振動子が空間的に非一様に結合したモデルを構築し、シミュレーションを行ったところ、実験データで観測される位相波を再現するには結合構造だけでは不十分であり、ニューロンの自然周波数の分布についても適当な仮定が必要であることが分かり、有用な知見が得られた。 2.植物遺伝子発現データの位相応答特性の計測(福田) ルシフェラーゼ発光計測による植物遺伝子の概日リズムの光インパルス入力による位相制御を行い、特異点摂動から脱同期を引き起すことに成功した。同時に脱同期から同期を引き起すような制御も行い植物工場において有用な技術が確認できた。 3.電気化学振動子の遅延フィードバック制御(徳田) 概日リズムの制御に向けて、電気化学振動子の結合系において遅延フィードバックによるクラスター状態の制御を行った。特に、位相方程式による安定性理論を適用することによって、カオス状態においても振動子を脱同期状態、1クラスター、2クラスター状態に導くことが可能であることを実験において実際に示すことができた。
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Research Products
(5 results)