2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間合成技術を用いたユビキタス無線アクセスシステムに関する基礎検討
Project/Area Number |
20560378
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
常川 光一 中部大学, 工学部, 教授 (40434568)
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Keywords | 無線システム / ユビキタス通信 / アレイアンテナ / 周波数可変アンテナ / 屋内アクセスシステム / ワイヤレス電力伝送 |
Research Abstract |
本システムにおける基本要素技術の実現可能性を検証し、より具体的なシステムの提案を行った。さらに本研究から得られた知見による「ワイヤレス電力伝送」の新たな概念を提案した。 (ア) 要素技術(主要なもの) ・空間合成によるフィルタ効果は最大30dB程度得られることを確認した。しかし不等間隔としても数十~数百のアンテナ数が必要であり、かつ緻密な位相制御が必要であることがわかった。 ・アンテナ素子のフィルタ効果は20dB程度であり、RFリレーSWにより理論どおりの切り替え動作を確認した。スパイラルアンテナに適用し、動作周波数500MHz~5GHzを実現した。 ・GNU-RadioによりソフトウエアによるFM送信機を試作し、ベースバンド信号による空間電力分布の制御を実現した。またキャリブレーションにおける位相精度3度以下を達成した。 (イ) 現実的システムの提案 ・本検討より、少ないアンテナ数で同システムを実現する「ユビキタスシーリングライト」を提案し設計した。これは干渉抑圧を基本としたシステムであり、多大なアンテナ数と設置性の難しさ、最大でも50dBのスプリアス効果等、洗い出した課題と高い位相制御精度を鑑みた提案である。 (ウ) 新たな概念による「ワイヤレス電力伝送」の検討 2つの独立な伝送経路を空間で構築することが本技術のキーポイントであることを理論的に明らかにし、電力伝送用アンテナの設計と実験を行った。伝送路シミュレーションにより0.1×0.1m程度のアンテナで数mを50%の効率で伝送できる可能性を示した。しかし実験においては完全に独立な経路を空間に構成することが難しく、数十cm程度の伝送距離に止まった。ただし独立経路を時間や周波数を用いて構築できる可能性があり、今後検討を続ける。(外部発表済/国際会議発表予定)。
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Research Products
(6 results)