2010 Fiscal Year Annual Research Report
腐食した鉄筋コンクリート部材の付着割裂メカニズムの解明
Project/Area Number |
20560457
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Research Institution | Railway Technical Research Institute |
Principal Investigator |
大屋戸 理明 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部, 主任研究員 (10425910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金久保 利之 筑波大学, システム情報工学研究科, 准教授 (90261784)
八十島 章 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教 (80437574)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 腐食 / 付着 / 異形鉄筋 / 割裂 / 質量減少率 / ひび割れ |
Research Abstract |
既存の土木構造物を将来にわたって有効に活用するためには、材料劣化に伴う構造性能の低下を明確に把握することが重要である。特に鉄筋コンクリート(RC)構造物における鉄筋の腐食については、安全性への影響が大きいため、その影響度を的確に評価する必要がある。本研究は、腐食がRC構造物の構造性能に及ぼす影響を明らかにするため、腐食鉄筋のコンクリートとの付着性状に着目し、その評価のためのメカニズムを解明することを目的とする。 本研究では、健全RC部材中の付着割裂における局所付着応力-すべり量関係を、コンクリートの割裂の寄与によるそれと、横補強による拘束効果が発揮される場合のそれとの加算で表現する。腐食RC部材においては、鉄筋の引抜時に生じる付着割裂ひび割れの他に、腐食ひび割れや節の欠損がコンクリートの割裂の寄与に影響を与え、さらに腐食生成物によるプレストレス効果が拘束効果に影響を与えると仮定する。 平成22年度は、腐食に伴う膨張圧が付着性状へ及ぼす影響について着目し、これを模擬した実験によって検討を行った。腐食による鉄筋周囲の状態の変化は、電食により模擬することとした。また、横拘束力を鉄筋のみに作用させ、コンクリートの割裂の影響を除去するため、試験体に切込みを入れた。実験の結果、腐食部材においても横拘束力の増大に伴って最大付着応力が増加し、質量減少率の増大に対する最大付着応力の低下の程度は、引抜力により割裂ひび割れが生じる場合よりも小さくなる傾向が確認された。また、腐食膨張に伴う周辺コンクリートの内部ひび割れが付着性状へ及ぼす影響を把握することを目的とし、スリットにより種々の内部ひび割れの進展状況を模擬した実験を行った。この結果、片側のかぶりが割裂した試験体は、最大荷重後の荷重低下が緩やかとなること、腐食による内部ひび割れの進展状況に応じて付着割裂強度が評価できることが確認された。
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Research Products
(1 results)