2009 Fiscal Year Annual Research Report
強制乾燥による乾燥収縮ひずみに基づくコンクリート系建築物のひび割れ原因推定手法
Project/Area Number |
20560513
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 拓哉 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30360465)
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Keywords | コンクリート / ひび割れ / 乾燥収縮 / 強制乾燥 / 仕上材 / 炭酸化収縮 / 環境条件 / 暴露試験 |
Research Abstract |
1.強制乾燥試験の試験方法に関する検討:今年度は、精度向上を目的として、乾燥器などの試験条件の検討とともに、乾燥程度の目安となる「乾燥指標体」の検討を行った。なお、今年度の検討においては、乾燥指標体として、標準砂を使用したモルタルを用い、その長さ変化・質量変化に基づき、コンクリート供試体の乾燥収縮ひずみを補正することとした。その結果、強制乾燥収縮試験では、正確な温度管理が必要であること、乾燥指標体とコンクリートの強制乾燥収縮率とは相関があり、乾燥指標体の質量に基づく補正により乾燥程度の異なるコンクリートの乾燥収縮率の比較が可能となること、などの知見を得た。ただし、今年度用いた乾燥指標体である標準砂モルタルは、作製が容易である反面、十分な精度が得られないことも考えられるため、今後さらなる検討が必要と考えられる。 2.実環境下・仕上材を施工した場合の乾燥収縮ひずみの実測:昨年度に引き続き、W/C、仕上材の条件を変えた供試体の屋外暴露試験を実施するとともに、屋内環境における乾燥収縮ひずみの実測を行った。その結果として、長期的な屋外暴露では、標準的な乾燥収縮ひずみよりも大きなひずみとなっており、これは炭酸化収縮の影響によることがわかった。本結果より、長期材齢コンクリートより、標準的な乾燥収縮ひずみを推定する場合、乾燥収縮だけではなく、炭酸化収縮の影響を適切に考慮することが重要であることがわかった。
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Research Products
(1 results)