2009 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム・ハイブリッド実験によるセミアクティブ制振構造の減衰性能評価
Project/Area Number |
20560521
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤谷 秀雄 Kobe University, 大学院・工学研究科, 教授 (10344011)
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Keywords | リアルタイム・ハイブリッド実験 / セミアクティブ制振構造 / 減衰性能評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リアルタイム・ハイフリッド実験によって、セミアクティブ制振構造の減哀効果を評価する手法を開発することである。リアルタイム・ハイブリッド実験とは、構造物をモデル化して解析し、その応答変位をリアルタイムでセミアクティブ制御装置に加えることであり、同時に、制御演算もリアルタイムで行う実験手法である。これによって振動台実験を必要としないで、セミアクティブ制御のシステムを開発できる。 初年度である平成21年度には、リアルタイム・ハイブリッド実験が行えるシステムを一応、開発した。 平成22年度においては、リアルタイム・ハイブリッド実験の制度の検証を行った。過去に行った振動台実験と、構造物、地震動、制御方法、制御装置の条件を同一にして、リアルタイム・ハイブリッド実験を行って、その結果を定量的・統計的に比較し、検証した。ここでは構造物の応答として重要な加速、速度、変位の諸量に対して、振動台実験とリアルタイム・ハイブリッド実験の結果の代表的なピーク値を選び、それらの差を統計的に処理して標準偏差を求め、リアルタイム・ハイブリッド実験の精度を定量的に示した。その結果、いずれの量においても、十分に必要な精度で、リアルタイム・ハイブリッド実験が実施できていることが確認された。特にセミアクティブ制御では、居住性・機能性の改善目的とするとが多いが、そのときは加速度の低減が重要である。今回の結果では、加速度において、特に精度が高く、良好な結果が得られたことから、実験が今後の減衰性能評価に有効であることが確認できた。
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