2009 Fiscal Year Annual Research Report
高層建築物における災害弱者の自助、共助、公助を含んだ実効性のある全館避難の検討
Project/Area Number |
20560593
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐野 友紀 Waseda University, 人間科学学術院, 准教授 (70305556)
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Keywords | 防災計画 / 火災工学 / 火災・事故 / 社会の防災力(避難) / 障害者福祉 / 高齢者福祉 / 児童福祉 / 都市・地域計画 |
Research Abstract |
災害弱者(災害時要援護者)が避難する際に、健常者と同様に地上まで一気に避難する事は困難である。このため、建物内にいる人々が互いに助け合う共助等の考え方をもとに、援護者が介助しながら要援護者と共に避難する介助避難の計画を検討した。この方法では、居室からの避難において、一時的に安全な場所(一時避難待機場所)に要援護者を待機させ、そこから、再度避難を行なう計画である。本年度は、一時避難待機場所を介助避難に不可欠なものと位置づけ、これについての被験者実験を大規模実験空間で行った。関連して機材等やデータ分析のための機器等の購入、分析謝金の支払いを行った.実験では、被験者は学生協力を依頼し、実験設備である間仕切り壁などは既存のものを利用したため、多くの費用は計上せず実験を実施する事が可能であった。この実験を通して、一時避難待機場所である階段室前付室空間において、車いす利用者が待機するために必要とされる寸法(他の避難者がよけるためのアキ寸法を含む)を明らかにした。また、平成22年度に開催予定で、発表を申請していた国際会議Human Behaviour in Fire Symposium 2009が本年度開催となったため、本研究の成果を発表した. また、災害弱者を含んだ避難シミュレーションの開発と妥当性の検討を行った。この検討は、既存データの不足やパラメータ設定の困難さなどの問題が発見され、さらに内容の充実が必要であるという結論に達し、次年度も継続的に行う予定である。 年度末に本研究に非常に関連が深い国際会議5th International conference on pedestrian and evacuation dynamics.が開催されたため、シミュレーションの妥当性検討に関わる内容を発表した。また、関連研究者から研究内容についての有意義な議論を行った。
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Research Products
(3 results)