2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本近代鉱業系企業社宅街の形成過程と開発手法の特質に関する研究
Project/Area Number |
20560598
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池上 重康 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (30232169)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂本 文彦 広島国際大学, 工学部, 准教授 (70299379)
角 哲 秋田工業高等専門学校, 環境都市学科, 助教 (90455105)
谷村 仰仕 広島国際大学, 工学部, 助教 (00368812)
中江 研 神戸大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40324933)
安野 彰 文化女子大学, 造形学部, 准教授 (30339494)
|
Keywords | 社宅街 / 実習報文 / 日本近代 / 住宅地 / 福利施設 / 都市形成 / 鉱山 / 炭鉱 |
Research Abstract |
これまで閲覧・収集してきた旧帝国大学(北海道、東北、東京、京都、九州)の鉱山実習報文に加え、新たに早稲田大学、大阪高等工業学校(現大阪大学)、明治専門学校(現九州工業大学)、京城帝国大学(現ソウル大学校)が所蔵する実習報文のうち、1950年前の閲覧・複写を終えた。加えて、ソウル大学校および早稲田大学所蔵文については新たに実習報文一覧を作成した。これは、日本近代の鉱工業系企業を研究対象とする経済史、科学技術史、産業考古学の視点からも重要な基礎資料となるものである。 平成20年度住宅総合研究財団出版助成を得、『社宅街〜企業がつくった住宅地〜(仮題)』(2009年5月出版予定)を出版する運びとなったが、これに合わせ、主に実習報文を基礎資料に、鉱業系企業の社宅街、社宅の福利施設、ならびに、北海道紋別の鴻之舞鉱山、鹿児島の串木野鉱山、台湾の金瓜石鉱山などいくつかの事例、鉱業系企業経営の社宅街の形成過程の特質を考察し掲載した。また、実習報文を通覧することにより、主要鉱山ならびに炭鉱社宅街の最盛期の福利施設の概況をまとめたデータベースを作成し、巻末資料として添付することができた。 実習報文が持つ資料的価値を実証するべく、鉱工業系企業社宅街で最も有名である高島炭坑端島坑(いわゆる「軍艦島」)を対象に、実習報文の添付図と記載事項を基礎資料に、既往研究、社史、歴史資料(ここでは三菱史料館所蔵資料)と比較しながら、当該社宅街の形成過程を考察した。その結果、これまで示されてきた東京電機大学調査班作成による復元配置図は誤謬が甚だしいことが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)