2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560624
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鵜沼 英郎 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30273303)
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Keywords | 骨誘導再生 / メンブレン / 石灰化 / 歯科インプラント / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
今年度の研究成果は、次の2点にまとめられる。 1.ポリエチレンテレフタラート/ゼラチン/リン酸カルシウム系複合材料シートを作製し、これを骨誘導再生メンブレンとして応用すべく、骨芽細胞様細胞の培養試験、動物埋入試験および歯科医師の主導による自主臨床研究を行った。ゼラチン層の上にリン酸カルシウム層を形成する際には、強酸・強塩基、高温などの過酷な条件を用いることができないため、ゼラチンにウレアーゼ酵素を固定化し、それが生産するアンモニアを利用してリン酸カルシウムを析出させた。このようにして低温で析出させたリン酸カルシウムは、体液に対して迅速に溶解し、骨芽細胞様細胞の増殖・分化および石灰化を促し得るものと考えられた。骨芽細胞様細胞培養試験の結果、本シートは、骨芽細胞様細胞の増殖・分化・石灰化を著しく促進することを確認した。また、歯科医師主導による自主的臨床研究の結果、本シートを骨湯堂再生用メンブレンとして用いた場合には、感染や炎症を示さずに、骨および軟組織の再生を積極的に促し、骨誘導再生治療を従来の半分以下の期間で完了できる材料として有望であることが分かった。この結果を受け、国内企業が量産化および薬事申請に向けて検討することになった。 2.チタン/ゼラチン/リン酸カルシウム系複合材料を作製し、オッセオインテグレーションを短期間で達成するための歯科インプラントとして応用すべく、骨芽細胞様細胞の培養試験および動物埋入試験を行った。その結果本複合材料は、骨芽細胞様細胞の増殖・分化・石灰化を著しく促進しすこと、および骨形成能力の障害のある糖尿病マウスに埋入した場合でも、短期間で骨形成を促し、オッセオインテグレーションを達成しうる材料であることがわかった。この結果を受け、国内の歯科インプラントメーカーと共同で、実用化に向けた検討を開始することとなった。
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Research Products
(5 results)