2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ゲルマニウム及び酸化タンタル系蛍光体・光触媒材料のゾル・ゲル法による作製
Project/Area Number |
20560632
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小島 一男 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30131311)
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Keywords | 酸化ゲルマニウム / 酸化亜鉛 / 酸化マグネシウム / 薄膜 / 蛍光体 / 光触媒 / 酸化ニオブ / 酸化タンタル |
Research Abstract |
前年度に引き続き、Mn^<2+>及びEu^<3+>を共含有するZnO-GeO_2の緑色蛍光体・長残光体粉末多結晶セラミックスを作製し、最大蛍光量子収率62.4%の試料が得られた。また、還元雰囲気下で熱処理した試料において、残光時間180分以上の長残光が得られ、これにはEu^<3+>含有結晶が関与していることが示唆された。 Mn^<2+>を含有するZnO-MgO-GeO_2赤色・緑色蛍光体に関する顕著な成果として、221nm励起によりMgGeO_3中のMn^<2+>による赤色蛍光が、また254nm励起によりZn_2GeO_4中のMn^<2+>による緑色蛍光が得られたことが挙げられる。 昨年度からの継続で、ゾル・ゲル法によりZn_2GeO_4透明結晶膜を作製し、光触媒膜及びMn^<2+>を少量含有させた緑色蛍光膜(最大蛍光量子収率51.2%、最長蛍光寿命13.4ms)として、作製条件の最適化を含めて一応の完成をみた。この成果を2010年12月にホノルルで行われた環太平洋国際化学会議で発表した。今後、実用化に向けた検討を行う。また、緑色蛍光膜については、薄膜型電界発光材料としての基礎的な実験を始める予定である。さらに、60ZnO-40GeO_2組成で作製した光触媒膜中におけるZn_2GeO_4ナノロッドの生成条件についても再現性が得られたため、今後、生成機構について検討を行う。 Ag含有Nb_2O_5系可視光応答型光触媒膜の活性は600および800℃で熱処理した試料において高く、前者では銀微粒子が、後者では高結晶性が起因すると考えられる。またTa_2O_5系光紫外光応用型触媒膜を作製できた。この膜の可視光応答化を目指してFeを導入したところ、光触媒性が失われた。今後、この原因を検討する予定である。
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