2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノファイバー複合材料創成のためのマイクロ流れにおける流動誘起構造の可視化と解析
Project/Area Number |
20560641
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
保田 和則 Ehime University, 理工学研究科, 教授 (80239756)
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Keywords | マイクロ流れ / ナノファイバー / マイクロ流路 / 可視化 / 急縮小流れ / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
マイクロ流路内における複雑流体(高分子流体)の流れを知るために,詳細な速度分布測定を行った。マイクロ流路はPDMSとガラスでできており,PDMS面上においてのみスリップ現象が見られた。しかし,ガラス面に金属コーティング(ITO膜)を施すと,その現象は見られなくなり,ニュートン流体の場合とほとんど変わらない速度分布となった。ニュートン流体では,ガラス面のコーティングの影響がないことから,これは複雑流体特有の現象であり,複雑流体では壁面の影響が非常に大きいことがわかった。この原因についてはいまだ明らかとなっていないが,高分子と壁面との電気化学的な相互干渉が影響していると考えている。 次に,マイクロ流路内に,カーホンナノチューブ(CNT)を希薄に分散させた流体を流し,CNTが流れに及ぼす影響を調べた。CNTは水には分散しないが,カテキン水溶液には比較的分散しやすいという性質を用い,CNT分散流体の急縮小流れについて速度分布を測定した。その結果,CNT分散流体では,平行平板間あるいは急縮小部における速度分布に,ニュートン流体とは明らかに異なる速度分布が見られた。これは,レオメーターによる粘度測定によっても粘度特性に違いが見られたことから,微細なCNTであっても,流れに大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。 マイクロ流路の流れと比較するために,マクロなスケールの流路における複雑流体についても検討した。その結果,レイノルズ数が十分に小さい場合でも,管内径が1mm程度のスケールの場合と管内径が40mm程度の場合とでは,急縮小流れのパターンがまったく異なることが明らかとなった。これは,複雑流体では,流路のスケール依存性が非常に大きいことを示唆している。
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Research Products
(5 results)