2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノファイバー複合材料創成のためのマイクロ流れにおける流動誘起構造の可視化と解析
Project/Area Number |
20560641
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
保田 和則 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (80239756)
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Keywords | マイクロ流れ / ナノファイバー / マイクロ流路 / 可視化 / 急縮小流れ / カーボンナノチューブ / 単純せん断流れ |
Research Abstract |
本研究でほヤイクロスケールの流れを知ることが必要不可欠であるが,一方進んでさらに微細なナノスケールの流れを知るため,走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて流れの可視化を行った。ただし,SEMの可視化では測定部を真空にする必要があるため,通常の液体は蒸発してしまい,流れを生じさせることすらできない。そこで真空中でも蒸発しないイオン液体を用い,手始めにミリスケールの流れの可視化を行い,SEMを用いて流れ場を可視化することに成功した。この方法ば,カーボンナノチューブ(CNT)のようなナノファイバーを含んだ流体のナノスケール流れと,CNTの分布状態を同時に可視化することが期待できる成果である。 同時に,マイクロ流路内における複雑流体(高分子流体)の流れについて詳細な速度分布測定を行った。壁面のガラス面に金属コーティングを施すと,ガラス面のみの場合と比較して複雑流体の流れはニュートン流体とはまったく異なる流れとなることが我々の研究ですでに明らかになっている。本年度の研究では,マイクロスケールの流路においてその現象が,流路スケールにかかわらず壁南から一定の割合の位置まで影響が及ぶことを明らかにした。ニュートン流体ではこのような現象はまったく見られないので,これは複雑流体特有の現象である。 次に,マイクロスケールの流れと比較するために,通常サイズの流路を用い,ナタデココのナノファイバーを添加した分散流体の急拡大流れについてその流れ場を調べた。その結果,ナノファイバーを最大で0.28%添加するだけで流れ場は大きく変化し,ナノファイバーの影響が顕著に表れることが明らかとなった。これは,急拡大部において,この程度の濃度であっても複雑流体のバラス効果が大きく生じた結果であると考えられる。
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Research Products
(4 results)