2008 Fiscal Year Annual Research Report
反応アーク溶解法によるバイモーダルコンポジットの合成と評価
Project/Area Number |
20560675
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
津田 大 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (80217322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間渕 博 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70109883)
松井 利之 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (20219372)
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Keywords | 新規複合材料 / 高強度 / 微細組織 / その場合成 / 二重複相 / TEM観察 / TiC粒子 / Ti析出 |
Research Abstract |
Ti、CおよびTiNの各粉末から、TiマトリックスにTicを分散させたTi基複合材料を反応アーク溶解法によりその場(in-situ)合成した。X線回折の結果から、20vol%までのTiC体積率の異なるTi基複合材料を本方法で作製することが可能であることが確認された。つぎに、TiC体積率を5%で固定し、N_2を0〜10at%添加した複合材料の微細組織を光学顕微鏡で観察した。N_2が0%ではTic粒子は1〜2μm程度の大きさであるが、N_2添加量の増加に伴ってTiC粒サイズは増大し、10at%N_2では20〜30μmへと粗大化していた。また、N_2量が0、1および2at%の試料中のTic粒子表面はスムーズであり、特徴ある組織は認められない。しかし、3at%N_2試料のTic表面には直線状の組織が観察される。この筋状組織はN_2量が多いほど顕著となっている。さらに、TiC粒子のマイクロビッカース硬度(HV)測定を行った。一般に、化学量論組成のTiCは共有結合性の強いセラミックスであり非常に強固であること、またその微小硬度は3000HVを超える値であることが報告されている。しかし、今回合成されたTiマトリックス中のTic粒子の微小硬度値は、ON_2では3000HVを呈するものの、2N_2で2000HV、3N_2で1700HV、そして10N_2では1500HVへと著しく低下することが判明した。また、反応アーク溶解法で合成されたTiC表面の直線状の筋状組職は、透過電子顕微鏡観察および電子回折像の解析から金属Tiであることが判明した。また、析出するTiとTic粒子は、(111)_<Tic>//(0001)_<Ti>、[011]_<Tic>//[1120]_<Ti>の方位関係を有していることが確認された。
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