2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波援用メカノケミカル処理装置の開発と機能性ナノ粒子創製への利用
Project/Area Number |
20560703
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福井 国博 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60284163)
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Keywords | マイクロ波 / 流動層 / ITO / チタン酸バリウム / MOX |
Research Abstract |
マイクロ波援用メカノケミカル処理法を確立するための基礎研究として、マイクロ波加熱固相反応を利用したITO粒子の合成に関する研究を行った、すなわち、マイクロ波感受性の高い酸化インジウムと酸化スズを原料とする粉体層を形成し、これを流動層化しながら、マイクロ波加熱することで固相反応を起こし、ITO粒子の創製を試みた。その結果、粉体層を流動層化することで、反応の進行の不均一性が緩和され、これまでの1/30の反応時間で固定層においてマイクロ波照射した際の反応率よりも高い反応率を実現できることが明らかとなった。また、マイクロ波照射した際の発熱量は、粉体層の充填率に大きく依存することが明らかとなった。これは、充填率が小さい場合にはマイクロ波が粉体層内部にまで浸透し、外表面だけでなく中心部においても発熱するためであると考えられる。この考え方を基に、マイクロ波照射領域における電界・磁界強度分布の数値シミュレーションを行うと共に、熱伝導方程式から発熱量を算出することで、マイクロ波照射時の粉体層の発熱量を推算する手法を確立した。 さらに、マイクロ波加熱による粒子生成メカニズムを明確にするために、硝酸銅および硝酸ニッケル水溶液からの酸化銅、酸化ニッケル粒子の製造を試みた結果、中間生成物のマイクロ波吸収性および中間生成物から酸化物への転化する反応温度の関係が重要であることを明らかとした。 また、マイクロ波援用メカノケミカル処理法によるチタン酸バリウムナノ粒子合成を試みた結果、従来加熱法に比べ、1/2以下の反応時間で合成が可能となる可能性が示唆されてきた。
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