2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560735
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮坂 武志 Gifu University, 工学部, 准教授 (60303666)
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Keywords | 航空宇宙工学 / ロケット / プラズマ / 電気推進 / ホールスラスタ / 流体 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
本研究では、ホールスラスタの最適設計指針の導出を目的とした実験・数値解析研究を行いチャンネル壁の影響を評価するものである。本年度では,実験では高精度測定に向けた環境設定,数値解析ではシミュレーションコードの開発・評価を進めた。解析モデルとして,実験機と同様な形状を扱い,計算時間短縮化のため軸対称模型を導入した。ここで,実際に3次元形状をしているオリフィスに対して断面積を等しくとった円環状オリフィスを仮定することにより,軸対称解析を可能にしている。また,磁場分布についても実験機と同様に軸方向にほぼ一様の分布を設定している。イオン運動は粒子的に扱い,電位ポテンシャル分布の導出にはボルツマンの式を用いた。チャンネル壁評価では,その重要な要素としてプラズマモデルがあるが,同様に重要なものとしてチャンネル流入モデルが挙げられる。本年度の研究では,特にこの推進剤流入モデルの影響に着目し,従来用いられている音速流入条件と実際に貯気室・オリフィス形状を考慮して得られた条件について,チャンネル内物理量へ与える影響,また壁面損失等を通じて推進性能へ与える影響について評価・検討を行った。その結果,流入部近傍の中性粒子分布における明確な違いが捉えられ,またその違いから放電電流や推進性能へ影響を及ぼしている様子が明らかになった。この結果は,最適設計指針導出に向けて行う重要な定量的評価において実際的な流人条件設定の必要性を明確に表している。
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