2008 Fiscal Year Annual Research Report
特性変動と故障に適応する有人宇宙往還機用誘導制御系の設計
Project/Area Number |
20560740
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
嶋田 有三 Nihon University, 理工学部, 教授 (90060235)
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Keywords | 宇宙往還機 / 回収技術 / 線形化 / 適応制御 / 飛行制御 / ロバスト制御 / 突風外乱 / 外乱適応オブザーバ |
Research Abstract |
有人宇宙往還機の故障時の回収技術として、ミッション毎のゲインスケジューリング作業を低減化し、機体特性の突然の変化や突風外乱などに対処可能で、離脱軌道に沿って制御性を確保する適応型の飛行制御方式を研究した。 具体的には(a)制御系内の可変パラメータを自動調整するパラメトリック表現形式のモデル規範形適応制御方式と、(b)パラメータ調整が不要で、不確定信号を直接推定する非パラメトリック表現形式の外乱適応オブザーバに、非線形フィードバックによる完全線形化を併用する方式、の2方式の設計法について理論展開を実施した。 その結果、(a)のパラメトリック方式では、当初計画通り、縦と横の両運動制御に対してそれぞれ個別にMRAC方式を適用することが出来た。特に横運動に対しては釣り合い旋回の条件を満たすような制御方式が設計でき、シミュレーションによって設計の妥当性を確認した。しかし、予定した外乱に対する外乱適応オブザーバの適用までには至らなかった。 また、(b)の非パラメトリック方式に対しては、姿勢運動と並進運動の6自由度運動に対して、外乱適応オブザーバを用いる設計を行うことでき、縦運動と横運動の区別無く同時設計が可能となり、設計理論に関して次の2点で重要な進展を見た。 (1)タイムスケール分離の概念に基づいて、姿勢運動と並進運動のそれぞれに対して設計されてきた従来の線形化手法に対し、これらを同時線形化可能な制御系の設計法を確立した。(2)外乱オブザーバの伝達関数表現に対して,ロバスト安定性と制御性を維持する伝達関数パラメータの設計手法を開発した。これによって,従来曖昧だったオブザーバのパラメータ設計を周波数伝達関数のパラメータ設計に変換できた。以上の成果を、11月の国際会議(韓国)で発表し,さらに,学内の学術講演会英語セッションで発表すると共に,大学の紀要に査読付き英語論文として発表した。
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Research Products
(4 results)