2009 Fiscal Year Annual Research Report
特性変動と故障に適応する有人宇宙往還機用誘導制御系の設計
Project/Area Number |
20560740
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
嶋田 有三 Nihon University, 理工学部, 教授 (90060235)
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Keywords | 宇宙往還機 / 回収技術 / ブィードバック線形化 / 飛行制御 / 適応制御 / ロバスト制御 / 突風外乱 / 外乱適応オブザーバ |
Research Abstract |
有人宇宙往還機の故障時の回収技術として、ミッション毎のゲインスケジューリング作業を低減化し、機体特性の突然の変化や突風外乱などに対処可能で、離脱軌道に沿って制御性を確保する適応型の飛行制御方式を継続研究した。特に次の2方式について、初年度に引き続き設計理論の展開と数値シミュレーションを実施した。 (a)制御系内の可変パラメータを自動調整するパラメトリック表現形式のモデル規範形適応制御方式(b)パラメータ調整が不要で、不確定信号を直接推定する非パラメトリック表現形式の外乱適応オブザーバに、非線形フィードバックによる完全線形化を併用する方式 その結果、(a)の方式では、当初計画通り、縦と横の両運動制御に対してMRAC方式を適用することが出来た。特に横運動に対しては釣り合い旋回の条件を満たすような制御方式が設計でき、ALFLEX(自動着陸実験機)の機体データを用いて滑走路への自動着陸シミュレーションに成功した。(b)の非パラメトリック方式に対しては、姿勢運動と並進運動の6自由度運動に対して、外乱適応オブザーバを用いた設計を行うことでき、米国スペースシャトルの機体データを用いて,高々度から滑走路への自動着陸までの飛行制御のシミュレーションに成功した。 以上の成果を、11月の国際会議(岐阜県,長良川国際会議場)で2件発表し、さらに、国外(台湾,国立台北工科大学)にて開催された国際会議において、審査付き論文として2件発表した。 さらに,最終年度に実施を予定する耐故障制御実験のためのHILS(数値シミュレーションの一部にハードウエアを挿入するシミュレーション)実験装置として、昇降舵(2舵)、エイルロン(2舵)、方向舵(1舵)、ボディフラップ(1舵)を6個のモータで制御し、かつ、2枚の昇降舵に故障を模擬する機構を有する装置を設計し、シミュレータ室に設置して,基本的な操舵応答の実験を実施した。
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Research Products
(5 results)