2010 Fiscal Year Annual Research Report
特性変動と故障に適応する有人宇宙往還機用誘導制御系の設計
Project/Area Number |
20560740
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
嶋田 有三 日本大学, 理工学部, 教授 (90060235)
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Keywords | 宇宙往還機 / 回収技術 / フィードバック線形化 / 飛行制御 / 外乱オブザーバ / パラメトリックな適応制御 / 非パラメトリックな適応制御 / 耐故障制御 |
Research Abstract |
当初の予定通り,(i)非パラメトリック表現と(ii)パラメトリック表現の2方式に基づく適応制御則の開発と耐故障制御系の設計を行った. まず(i)の方式において,未知空力パラメータと風外乱から生じる不確定信号を推定する外乱観測器を設計した.次いで,その推定信号を用いたフィードバック線形化手法によって安定な線形飛行制御システムを構築した.さらに,この線形システムに対して基準軌道への追従制御系を設計し,数値シミュレーション上においてスペースシャトルオービタを高々度から滑走路に自動着陸させることに成功した(H22年8月,AIAA GN&C).その後,本方式の推定信号に誤差があっても安定性が保証されるようにバックステッピング法を付加することによって本手法の信頼性を上げることができ,非パラメトリックな適応制御方式による飛行制御系の設計手法を確立した(H23年3月,日本航空宇宙学会北部支部講演会). (ii)の方式では,横・方向運動が制御の困難な非最小位相系となるため,横速度信号に横加速度信号を付加した仮想出力を考案し,この仮想システムが最小位相系となるように伝達関数行列の零点を再配置した.次いで,この最小位相化された制御対象に対して,パラメトリック方式としては初めて外乱観測器を付加した適応制御則を開発し,シミュレーションによってその効果を確認した(H23年3月,日本航空宇宙学会北部支部講演会).さらに,冗長性のあるアクチュエータシステム(左右エルロン,左右エレベータ,ラダーの計5基のアクチュエータ)を有する機体を想定し,これらの内の1基ないしは2基が故障しても残りの生存アクチュエータによって飛行性能が維持できる適応制御則を初めて開発し,有人飛行に際しての信頼性向上技術の一つとして寄与することができた(H22年11月,日本航空宇宙学会主催宇宙科学技術連合講演会).
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Research Products
(5 results)