2009 Fiscal Year Annual Research Report
一般炭による廃液中重金属回収,廃プラスチック脱塩素,並びに高発熱量発電燃料の創製
Project/Area Number |
20560760
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅野 元行 Nihon University, 理工学部, 准教授 (70256808)
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Keywords | 発電燃料 / 廃プラスチック / 重金属回収 / 一般炭 / 脱塩素 / 銅交換炭 / ポリ塩化ビニル / 有機塩素化合物 |
Research Abstract |
Morwell褐炭を硝酸水溶液中で撹拌後,純水でろ過,真空乾燥したものを脱灰炭とした.脱灰炭を硫酸銅(II),または硝酸鉛(II)水溶液中で撹拌後,純水でろ過,真空乾燥したものをそれぞれ,Cu交換炭,Pb交換炭とした.内容積100mlのオートクレーブに溶媒として純水を11.1ml,反応試料としてポリ塩化ビニル(PVC)及び交換炭を,交換炭中の金属量とPVC中の塩素のモル比が1:2となる量でそれぞれ装入し,窒素ガスを置換した後,2.0MPaまで加圧した.外部電気炉にて所定温度まで昇温させ,60分間温度を保持して反応させた.反応終了後は直ちに空冷した.生成物に対して純水抽出を行い,水不溶分(改質燃料)と水可溶分を得た.水可溶分の塩素含有率は硝酸銀滴定による塩化銀生成量から,改質燃料の塩素含有率は高温燃焼イオンクロマトグラフ法により求めた.前者は交換炭中の金属により塩として安定化された無機塩素,後者は有機塩素とし,その割合を塩素残存率(%)とした.また,改質燃料の灰分測定から金属残存率(%)を求めた. 反応温度の上昇(200℃~300℃)にともない金属及び塩素残存率は,Cu交換炭ではCu:98%→77%,Cl:55%→20%,Pb交換炭ではPb:43%→32%, Cl:39%→5%に減少した.これは,反応温度の上昇にともない交換炭中の金属が脱離し,PVCから脱離した塩素を金属塩化物として固定化したためと考えられる.また,いずれの反応温度においてもCu交換炭に比べPb交換炭を用いると金属及び塩素残存率が低い.これは,Cuに比べPbはイオン化傾向が高く,共熱分解時に溶媒である水中のH^+とのイオン交換により金属カチオンとして脱離しやすかったためと考えられる.
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