2008 Fiscal Year Annual Research Report
逆ミセル抽出を利用した水溶液中微量金属イオンのナノ粒子化回収迷
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20560761
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
長縄 弘親 Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (00354837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 隆二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (00354895)
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Keywords | 有価物回収 / ナノ粒子 / 逆ミセル / 液液抽出 / レアメタル / 放射線 / パルスラジオリシス / 水和電子 |
Research Abstract |
無極性溶媒中で生成する界面活性剤の分子集合体である逆ミセルを液液分配法に利用し、各種金属イオンの液液抽出(溶媒抽出)を行った。液液抽出実験では、分配比等の基礎データを取得した。まず、貴金属として、金Au、白金Pt、パラジウムPdを選び、これらを高選択的に回収できる抽出系の検討を行った。性質の類似している上記貴金属イオンの相互分離を目的として、陽イオン型界面活性剤であるテトラオクチルアンモニウムブロマイド(TOAB)と分子性の多座配位抽出剤であるテトラオクチルジグリコールアミド(TODGA)を組み合わせた抽出系を検討した。TOABのみでは、Au、Pt、Pdのすべてを抽出してしまうが、TOABとTODGAを組み合わせて用いると、Auを高選択的に抽出・分離することができ、且つPtとPdもある程度は分離できることがわかった。 つぎに、レアアースであるユウロピウムEuを対象として、逆ミセルに抽出・分離するとともに、逆ミセルの粒径を制御するための研究を行った。陰イオン型界面活性剤であるビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸(AOT)と分子性の2座配位抽出剤であるジアミド化合物(DA)を組み合わせて用いることで、Euを高選択的に逆ミセルに濃集できることがわかった。また、DAの濃度を変化させることで、逆ミセルサイズを制御できることがわかった。この方法を用いることで、逆ミセル内へのEuの濃集度を下げることなく逆ミセルサイズを小さくできることがわかった。なお、逆ミセルの粒径は動的レーザー光散乱法により測定した。 また、放射線を利用した金属ナノ粒子生成の可能性を反応論的に明らかにするため、ガンマ線の定常照射による逆ミセル内核水相のサイズ変化を調べるとともに、電子線ライナックによるナノ秒パルスラジオリシス法を用いて、金属イオンの還元を引き起こす水和電子の過渡吸収を観測した。
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