2008 Fiscal Year Annual Research Report
低放射化バナジウム合金の照射後熱処理による機能修復
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20560763
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
福元 謙一 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 准教授 (30261506)
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Keywords | 照射脆性 / 低放射化バナジウム合金 / 熱回復 / 補修技術 |
Research Abstract |
照射脆化を示す中性子照射された低放射化バナジウム合金の熱処理を行い、照射硬化を低下・緩和させる健全性を回復させる最適熱処理条件を探索する。このため熱処理に伴う照射組織の回復過程と機械的性質の修復の相関性について調べ、照射による脆化・硬化などの材料劣化からの回復・修復を行う熱処理条件を予測する相関則を明らかにする。 平成20年度の研究から常陽で400〜700℃の温度範囲にて0.5〜5dpa照射したV-4Cr-4Ti合金の室温および試験温度近傍の高温引張試験を行った。400〜450℃では800MPaを越える著しい照射硬化と極端な延性低下が見られた。高温引張試験では極端な延性低下現象にもかかわらず急激な応力降下・上昇の動的歪み時効現象が見られた。この動的歪み時効現象によりV-Cr-Ti合金照射材中には多数の欠陥集合体形成と共に固溶した不純物ガス原子(酸素、窒素、炭素など)が共存していることが分かった。500℃以上の照射温度では極端な延性低下などは見られず、高温引張試験においても10%程度の均一伸びを示したため、450℃以下の照射試料においてのみ焼鈍による回復実験が有効であることが示された。照射後組織観察から照射硬化に寄与する欠陥は400℃以下では微小な欠陥集合体であり明確な析出物形成は見られないが、450℃以上ではTiO型の円板状析出物形成が照射硬化に寄与する欠陥であった。このため400-450℃を境に組織回復のための焼鈍条件を変化させる必要がある。これらの成果を元に平成21年度は等時焼鈍による機械的性質変化(硬さ試験と引張試験)および損傷組織回復について調べ熱処理温度による機械的特性回復・修復挙動への影響について明らかにする。
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Research Products
(1 results)