2008 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルプロセスによってナノ複合化したMg系コンポジットによる水素貯蔵
Project/Area Number |
20560782
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今村 速夫 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (60136166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒多 喜久 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40211263)
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Keywords | 水素貯蔵 / マグネシウム / 金属水素化物 / 複合化 / 圧力-組成等温線 / ボールミリング |
Research Abstract |
水素エネルギーシステムは21世紀の技術として、水素の安価な製造法からエネルギー変換、貯蔵輸送、利用に至る一連の技術開発が急務となっている。貯蔵・輸送は水素が二次エネルギーのため必須で、優れた貯蔵材料の開発が期待されている。特に水素の貯蔵が難しいのは燃料電池自動車で、限られた車両スペースに如何に軽量且つコンパクトに大量の水素を貯蔵搭載できるかが鍵となり、軽量で高容量な貯蔵材料開発が最重要課題となっている。 本研究では、軽量で水素密度が高いMg系に着目し、Mgをベース金属にしてメカニカルプロセスを利用したナノ複合化による材料合成手法を用い、水素吸放出特性の低温化のための新規な水素貯蔵材料の探索と開発を行う。本年度、SiCが興味深い複合効果を示すことを見出した。シクロヘキサンを添加剤に用いてMgH_2とSiCをボールミリングによってナノ複合化したところ、MgH_2中の水素が不安定化する結果、通常のMgH_2からの水素放出が705Kであるのに対して、ナノ複合化したMgH_2/SiCでは437K付近まで低温化することをみとめた。複合化の際のSiC濃度やミリング時間は、材料特性への影響が顕著で75mol%SiCを用いて5時間ミリング処理した試料では、MgH_2中の水素は不安定化する結果、ミリング中にすべて放出されてしまうことがわかった。さらに、このような特性を示す水素の熱力学性質を検討するため、MgH_2/SiCのPCT(圧カー組成等温線)測定をおこなった。573Kにおいて水素放出に関する等温線を測定したところ、MgH_2/SiCの示す平衡解離圧は明らかにMgH_2単独のそれより高くSiCによる複合化の結果、MgH_2の水素が不安定化していることがわかった。
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Research Products
(3 results)