2009 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルプロセスによってナノ複合化したMg系コンポジットによる水素貯蔵
Project/Area Number |
20560782
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今村 速夫 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (60136166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒多 喜久 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40211263)
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Keywords | 水素貯蔵 / マグネシウム / 金属水素化物 / 複合化 / 圧力-組成等温線 / ボールミリング |
Research Abstract |
本年度、Sn/MgH2系についてTEMによる複合化相の検討と、再水素化を目指した新規複合系の検討を行った。TEMで見えている粒径の大きいSn粒子が、XRDで顕著に鋭い回折ピークとして見えている結晶化度の高いメタリックなスズであると思われる。先の実験結果が示すように、Snの融点以下の温度で少量(約10%)の水素を放出しただけでMg2Snを生成する微結晶で高分散なSnが複合化に関与している可能性が高いと思われる。このことについてはTEMによる直接的な証拠はまだ得られていないが、複合化によって新たな相の生成を示唆する知見も得られている。TEM測定については、真空下測定中での電子線照射によって試料の脱水素反応が併発していることが見とめられ、今後TEMによる検討を進めていく上で解決すべき課題となることがわかった。また、再水素化を目指した新規複合系の検討については、Sn/MgH2複合系では、水素放出後にMg2Sn合金が生成し、さらにMg2Snに水素吸蔵能が見られなかった。そのため再水素化には、Mg2Sn合金生成の抑制と水素吸蔵能を示す新たな相の形成が考えられる。そこでMg2Sn生成の抑制については、まず、第二の金属を添加することで試みた。これについては16 at% Sn/MgH2にCu,Cr,Mn,Alを8 at%添加した試料をボールミリングによって調製し、再水素化ついてはDSC,XRDを用いて検討した。再水素化は250℃で試料を排気処理後、3MPaの条件で再水素化を行った。再水素化後の水素の特性はDSCでべた。MgH2/16at%Sn/8at%Cr、MgH2/16at%Sn/8at%Mn、MgH2/16at%Sn/8at%Cuについて検討したが、いずれの系においても今のところ再水素化を示す低温域における水素放出は認められていない。
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Research Products
(2 results)