2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570045
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
真野 昌二 National Institute for Basic Biology, 高次細胞機構研究部門, 助教 (20321606)
|
Keywords | シロイヌナズナ / ペルオキシソーム / amp変異体 / GFP / Peroxisomal division / Peroxisome elongation / PMP38 / Dynamin |
Research Abstract |
本年度はapm3変異体を中心に解析を進めた。APM3遺伝子はペルオキシソーム膜に局在するPMP38をコードしており、apm3変異体ではペルオキシソームが巨大化し数が減少するが、植物体の成長は抑制されない。これまで、発芽初期と老化時に遺伝子発現とタンパク質の蓄積が最大となると報告されてきたが、PMP38プロモーターとGUSとの融合遺伝子を発現させた形質転換シロイヌナズナの解析から、発芽時と老化時以外の時期にもPMP38遺伝子は発現しており、特に花器官で顕著であることが明らかとなった。このPMP38遺伝子の発現時期や発現部位は、apm3変異体で巨大なペルオキシソームが観察される時期や部位と一致していた。 PMP38はミトコンドリアキャリアーファミリー(MCF)のサブグループであるATP/ADP輸送体であると考えられてきた。PMP38の酵母のホモログと考えられてきたScAnt1pではATPとADPの輸送活性が報告されている。今回、ScAnt1p欠損株でPMP38を発現させたが、ScAnt1p欠損を相補できなかった。また、大腸菌の原形質膜にPMP38を発現させ、ATP、ADP、GTPの取り込み実験を行ったが、これら3種類のヌクレオチドの輸送活性を検出することはできなかった。最近になって我々は、ペルオキシソーム膜上にMCFに属する別のATP/ADP輸送体(PNC1,PNC2)が存在することを報告している。それらの欠損変異体はapm3変異体と異なり著しい成長抑制を示す。このことからPMP38は、PNC1、PNC2とは異なり、ATP/ADP以外の基質を輸送している可能性が示唆された。
|