2009 Fiscal Year Annual Research Report
棘皮動物マナマコ神経ペプチドの網羅的解析と神経機能分化の探索
Project/Area Number |
20570057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉国 通庸 Kyushu University, 農学研究院, 教授 (50210662)
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Keywords | 生体分子 / 蛋白質 / 生理活性物質 / 棘皮動物 / プロテオミクス / 神経 / 機能分化 / 卵成熟 |
Research Abstract |
20年度に実施した凍結乾燥法を用いた神経組織の単離法では、乾燥中の昇温による分解反応の進行に起因すると思われるmRNA・peptideの分解が検出された。成分の分解を抑えた組織試料の純粋な単離の為に、凍結乾燥前に予め組織中の水分を有機溶媒で充分に置換する前処理が有効であることを見出し、有機溶媒置換凍結乾燥法を考案した。本法で乾燥した組織から丁寧に単離した神経組織試料では、その後の解析に支障となる程の大きなmRNA・peptideの分解は抑制されていた。現在、同方法により新規に調製した放射神経、周口神経試料を用いて比較解析の準備を進めている。 マナマコ神経の良好な単離法の確立の間、マガキ内臓神経節試料を用いたEST解析が連携研究者により進められていたので、これを用いて、質量分析法の有効性を検証した。マガキ神経節より抽出した分子量10,000以下のペプチド画分を、液体クロマトグラフ質量分析計によりMS/MS測定し、ESTデータを参照databaseとしつつde novoアミノ酸配列解析(Peaks Ver. 4.5使用)を実施した所、EST解析により予想した分泌可能ペプチドの多くが実際に発現していることを確認した。それらには、遺伝子database未登録のpeptideが多く含まれており、同法が新規の神経ペプチドの検出に有効であることが示された。現在、連携研究者により、当初の予定であったマナマコの周口神経、放射神経のEST解析が進められており、データ数が一定以上に達した段階で、改めてMS/MS解析を実施する準備を進めている。
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Research Products
(14 results)