2009 Fiscal Year Annual Research Report
魚類における新規グレリン受容体の同定と作用連関の解明
Project/Area Number |
20570065
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
海谷 啓之 National Cardiovascular Center Research Institute, 生化学部, 室長 (40300975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮里 幹也 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (50291183)
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Keywords | グレリン / キンギョ / グレリン受容体 / GHS-R1a / GHS-R2a / 変異体 / ゲノム遺伝子 / 組織分布 |
Research Abstract |
本研究は、キンギョにおいて、グレリン受容体の遺伝子配列を決定し、その遺伝子の生体内分布や受容体の機能性を調べ、キンギョにおけるグレリンの生理作用と受容体との連関を明らかにすることを目的としている。 本研究申請時にGHS-R1aの特徴をもつ2つのcDNAフラグメントを同定していたが、20年度にそれらのcDNAの全長を明らかにするとともに、それぞれに対して95%の類似性を示す変異体を同定し、GHS-R1a-1、1a-2、2a-1、2a-2と名付けた。その受容体タンパク質の機能解析をした結果、2a-2以外の受容体タンパク質はキンギョグレリンやGHSに反応することを見いだし、同定した2a-2以外はグレリン受容体であることを確認した。また、その感度は2a-1の方が1a-1や1a-2より良いが、反応性は1a-1や1a-2の方が2a-1より大きいことがわかった。 本年度は同定した4つのcDNAがキンギョのゲノム上に存在するかを調べた。その結果、4つのゲノム遺伝子を同定し、タンパク質をコードしている部分のゲノムの長さはそれぞれ1722bp(1a-1)、2059bp(1a-2)、2012bp(2a-1)、2859bp(2a-2)であり、それに含まれるひとつのイントロンの長さはそれぞれ640bp(1a-1)、977bp(1a-2)、909bp(2a-1)、1759bp(2a-2)であった。また、それぞれの遺伝子がどの組織に発現しているのかを調べた結果、1aは終脳、迷走葉、精巣に多く、肝臓、腸、卵巣にも発現が見られたが、1a-2は特に肝臓と精巣で多かった。2a-1は終脳、間脳、迷走葉、精巣に多く、腎臓や卵巣にも存在した。また2a-2は受容体機能が不明であるが、脳組織での遺伝子発現が認められた。以上の結果は、キンギョには4つのグレリン受容体が存在し、それらは中枢や末梢器官に存在して生理作用を仲介していること示している。
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Research Products
(4 results)