2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋島の蘚苔類多様性を明らかにし,絶海の孤島への種の移入経路と種分化を探る
Project/Area Number |
20570087
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山口 富美夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60244290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 博美 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10332800)
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Keywords | 海洋島 / 海洋島 / 種分化 |
Research Abstract |
海洋島における蘚苔類の多様性,種分化,植物地理および島への移入経路を探るため,平成20年度に聟島列島,父島,母島,平成21年度に北硫黄島,父島,母島で現地調査を実施した.今年度はこれまでの調査で得られた試料の解析を行った. 昨年度までに採取した小笠原諸島産の試料,および各地の植物標本庫に保管されている標本にもとづいて光学顕微鏡を用いて植物分類学的研究を行い,外部形態による種の同定を行った.これらの研究に用いた試料の一部を広島大学植物標本庫(HIRO)のデータベースに登録するとともに,植物標本として保管した. 北硫黄島産の試料の分類学的研究を行った結果,同島から51種の蘚苔類を確認することができた.これらのうち,43種について北硫黄島新産であった.これらの結果を雑誌ヒコビアにて公表した. 昨年度までの現地調査によって,これまで未解明であった小笠原諸島聟島列島,北硫黄島の蘚苔類相を明らかにすることができた.これらの蘚苔類相について,現地の生育環境とともに学会で詳細に報告した. 北硫黄島を含む小笠原諸島固有種のムニンシラガゴケについてDNAハプロタイプの解析を行った.ムニンシラガゴケについては,島嶼間での遺伝的変異の存在を見出せたが,北硫黄島においては種レベルに達する遺伝的分化は認められなかった.これは,母島との地理的な距離と,北硫黄島の蘚苔類相が成立してからの時間的な要因によるものと考えられた.
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Research Products
(4 results)