2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアゲノム解析によるダニ類の系統と進化の解明
Project/Area Number |
20570098
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
福長 将仁 Fukuyama University, 薬学部, 教授 (20132483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田淵 紀彦 福山大学, 薬学部, 講師 (60330685)
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Keywords | 系統解析 / 遺伝子構成 / ミトコンドリア / ダニ類 / 進化 |
Research Abstract |
Walchia hayashiiならびにAscoschengastia sp.ミトコンドリアゲノムの完全長配列を解明した。またツツガムシ全9種についてnad1からnad4遺伝子までの塩基配列を決定して遺伝子組み換えの有無を明らかにした。完全長ゲノムの推定される遺伝子の構成比較では、それぞれの属間での遺伝子再編が大幅に起こっていて、prostriateやmetastriateなどのダニ(hard tick)やヒメダニ(soft tick)におけるような小規模な組み換えとは根本的に異なる構成であることが解った。しかしながらツツガムシ近縁種のダニに於いてこのような大幅なミトコンドリア遺伝子の再編がなぜ認められるかについては現在のところ不明である。一方、ツツガムシ類ミトコンドリアゲノムにおいて、アカムシタイプではnad1-Y-Q-rrL-rrS-LNR-S1-P-nad4の順序であるのに対してフトゲツツガムシではQの移動とLNRの重複が起こりL.imphalumはその中間的な位置関係を示した。これはアカムシタイプを祖先型とし、2回の重複複製と遺伝子脱落の結果(tandem duplication and deletion)この遺伝子移動が起こったことが推察出来た。ツツガムシは春一夏に主として吸血するグループと、秋一冬に活発になるものというように種によって生態に違いがあることは知られていたが、遺伝子構成比較によって両者を明確に区別できた。これらのツツガムシの分布地域は両タイプが重なる地域もあるが、互いに交雑することなく独自に進化しながら生息域を拡大してきたものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Absence of transovarial transmission of Borrelia duttonii, a tick borne relapsing fever agent, by the vector tick Ornithodoros moubata.2008
Author(s)
Tabuchi, N., Kataoka-Ushijima, Y., Talbert, A., Mitani, H., Fukunaga, M
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Journal Title
Vector-Borne abd Zoonotic Diseases 8
Pages: 607-613
Peer Reviewed
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