2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570141
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
中村 辰之介 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 教授 (20114308)
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Keywords | アンチポーター |
Research Abstract |
本年度は、腸炎ビブリオのK^+H^+antiporterであるKhaV(NhaP2)についての解析、および大腸菌のcation/H^+antiporterであるChaAついての解析を進めた。 KhaVに関しては、まず生理的役割を解析するため、野生型(AQ3334株)のKhaV遺伝子の機能欠失変異株を作製し、中性もしくはアルカリpH(7.3もしくは8.7)、および高濃度のKC1もしくはショ糖存在化での生育を比較した。その結果、アルカリ条件下(pH8.7)において、200mM以上のKC1存在化では変異株の生育が野生型と比較して顕著に阻害される事が明らかとなった。一方、400mMのショ糖存在化では生育の差は見られなかった事から、腸炎ビブリオにおいてKhaVは浸透圧ストレスへの適応には関与せず、むしろK^+排出に重要な役割を持つ事が示唆された。 一方、ChaAに関しては、構造上の知見を得るためトポロジー解析に着手した。Hydrophilicity plotで予測されたChaAの11個の疎水性領域(TM)をC-末端側から一つずつ削ったクローンを作製し、これらにアルカリファスファターゼ(PhoA)もしくはGFPをコードする遺伝子をin frameで融合させたconstructを作製した。また、TMに挟まれた親水性領域が比較的長い場合は複数箇所でリポーター遺伝子と融合するようなものも作製し、合計19個のconstructを作製し、大腸菌に導入した。今後はPhoA活性を指標にペリプラズム側を向いているTMを、またGFPの蛍光強度を指標に細胞質側を向いているTMを検出し、それぞれの疎水性領域の膜トポロジーを解析していく予定である。
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