2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たなリン酸化プロテオミクスによる細胞内キナーゼ基質の網羅的同定と機能解析
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20570177
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小迫 英尊 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (10291171)
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Keywords | プロテインキナーゼ / プロテオーム / リン酸化 / MAPキナーゼ / プロテアソーム / PHドメイン |
Research Abstract |
本研究では、IMAC(固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー)によるリン酸化タンパク質の精製、2D-DIGE(蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動)技術、および抗リン酸化モチーフ抗体などを組み合わせたリン酸化プロテオーム解析法を発展させ、ERK/MAPキナーゼなどの複数のプロテインキナーゼの基質を大規模に同定し、興味深い新規基質についてリン酸化制御とその生理的意義を解明することを目標としている。本年度はまず、マウスNIH3T3細胞を用いて、PDGF刺激またはU0126処理してからPDGF刺激、の2種の抽出液を調製した後、IMACによってリン酸化タンパク質を濃縮した。それぞれを異なる蛍光色素で標識後に混合し、特注サイズの大型ゲル板を用いて2D-DIGE解析を行った。さらに低蛍光型PVDF膜に転写してPXpSPモチーフ(ERKのリン酸化コンセンサスモチーフに相当する)を認識するウサギモノクローナル抗体でイムノブロットした。化学蛍光法によるウェスタンブロットイメージと2D-DIGEイメージのマッチングにより、U0126処理で減少し、かつPXpSPモチーフ抗体と反応するスポットを多数検出することができた。これらのスポットを切り出して酵素消化後、質量分析法によってタンパク質の同定を試みたところ、プロテアソームの調節サブユニットの一つであるRpt5/Psmc3およびPHドメインを有するFam129b/Minervaを同定した。両者ともPXpSPモチーフ配列を含んでおり、タグ付きタンパク質として哺乳類培養細胞に発現させたところ、ERK経路の活性化に依存してPXpSPモチーフ抗体と反応することを確認した。
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Research Products
(4 results)