2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570206
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡本 龍史 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50285095)
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Keywords | 受精 / 細胞極性 / 卵細胞 / 受精卵 / イネ |
Research Abstract |
本研究課題では、イネin vitro受精系を用いることで、受精によりイネ受精卵中で発現が誘導され、かつ、イネ受精卵中の頂端部または基部に極性分布しているmRNAをマクロアレイ解析で網羅的に同定し、それらmRNAの受精卵中における細胞内局在機構を明らかにすることで、植物の胚発生過程の最初におこる細胞分化の機構の一端を明らかにすることを主な目的とした。また、細胞内における物質輸送に深く関与しているアクチン繊維を蛍光タンパク質で可視化した形質転換植物を作製し、それらの配偶子をin vitro受精させることで、受精卵の極性形成過程における細胞骨格の動態を明らかにすることも研究目的の一環とした。 イネ卵細胞、受精卵、2細胞胚、頂端細胞、基部細胞を用いて1細胞・胚からcDNAを合成・増幅し、そのcDNAをテンプレートとしてcRNAプローブを作製しマイクロアレイ解析を行った。「卵細胞/受精卵で発現し、かつ、2細胞胚の頂端細胞でのみ発現する遺伝子」および「卵細胞/受精卵で発現し、かつ、2細胞胚の基部細胞でのみ発現する遺伝子」を絞り込んだところ、2細胞胚の頂端細胞でのみ発現する遺伝子が61個、基部細胞でのみ発現する遺伝子が57個それぞれ同定された。また、受精卵の極性形成に関与すると推定される細胞骨格(アクチン繊維)を蛍光タンパク質により可視化する目的で、Fimbrin-GFPおよびLifeact-tagRFPを発現させた形質転換イネを作製し、蛍光顕微鏡により卵細胞のアクチン繊維が可視化されているラインを選抜した。詳細な観察の結果、イネ卵細胞中ではLifeact-tagRFPによって太く長いアクチン繊維が標識される一方で、Fimbrin-GFPでは細かいアクチン繊維が標識されることが明らかになった。
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